2019年(平成31年)のご挨拶

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新年明けましておめでとうございます。皆様にはお元気で新春を迎えられた事とお祝い申し上げます。

当店も皆様のご支援とご協力により、無事に新年を迎えられた事、有難く御礼申し上げます。
とは言え、今年は1/14の成人の日含む3連休を終えたところ。私も新年は1/5(土)から営業を開始しており、早々に「そば屋の中華そば」を2年ぶりに仕込み、再開しております。(中華製麺自体は夏以来なので半年ぶりです) 以前と違うところは、、、家族の協力無しで*私1人だけで全て手造りをした。というところです。

2019年の冬メニューとして⒈「新しい鍋料理」を考案するよりも、2年ぶりにお客様方から要望が多かった⒉「そば屋の中華そば」を復活させる選択を選んだという事に成り、昨年末から予告をし、新年早々に実行しております。なので覚悟を固めたので気が抜けません。

この2つは、同じだけの労力が必要です。

下準備さえ出来ていれば⒈料理というものはそれ程苦ではありませんが、⒉「ゼロからメニューを考案」し+材料を探し+試作を繰り返し+従業員の理解を得て+宣伝やメニューでお知らせ(作成)を行い+実際の調理をする(メニューを生み出す)ことは、非常に大変で積み重ねたプロの経験が必要です。まさに職人技。

この2つは、料理の業界内でも師弟関係くらいの差があります。各自店単位では、1世代分くらいの差があります。2019年1月現在では、、、この後者*「ゼロからメニューを生み出せる」職人技が店にないと経営は難しいようです。

*永い経験の中で、あらゆるジャンルの料理を調理し、本当の意味で「料理人としての基礎」を身体に染み込ませた強者達という意味です。きっと修業時代の苦楽を共にした仲間も多い筈です。

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さて、安倍政権が発足して6年が経過し、企業収益は向上し、雇用情勢も大きく改善されたと言われておりますが、消費者物価は上がらず、むしろ小売業界、スーパーなどでは値下げ競争が激化し、デフレからの脱却は果たされていないのが実態ではないでしょうか。

デフレ脱却を確かなものにするには、個人所得の拡大の為の、企業の内部留保を削減して従業員への積極的な賃上げが求められます。

本年10月の消費税増税の実施が決定されております。

政府はその影響を和らげる為の軽減税率(案)が発表されておりますが、問題点もあるようです。

特に、電子マネー等クレジットカードによるキャッシュレス決済を使った場合は支払い額の5%をポイントで還元するという案です。小規模の店舗の場合、現在、殆どの店ではカードによる決済は行なっておりません。

お客さんから、5%還元されるカードでの支払いの要望に対応するには、端末機器の設置や決済手数料など、新しい費用負担が発生しますが、コスト増を抱えながらも、消費者には同じ値段で提供しなければなりません。

国民から消費税を預り、国庫へ納付する義務を担っている我々にも目を向けた法案になるよう、強く要望します。

又、そば粉を始めとする原材料の値上げや人件費の増加など、経営には大きな影響が生じています。これをメニュー価格に反映することが難しい状況です。しかし、原価が上昇した時にはその分、価格には転嫁する事は経営者として適切な行為ではないでしょうか。

最近このような事が言われています。『価格は商品価値の全てではなく、ひとつに過ぎない』

これは、コンビニなどでの加工食品のレベルが上がり、品質の要求水準が高まっています。

お店では家庭では味わえない料理の質、店内の雰囲気や清潔さ、客席の配置、店主の人柄や従業員の対応等、価格はお客さんに提供するサービスなどの価値のひとつの要素となって来たと言えるかと思われます。

『いいものを安く』ではなく『いいものをそれなりの価格で』と考えては如何でしょうか。

麺類市場は外食産業の中では比較、底堅い市場と言われていますが、後継者不足による店舗の廃業は我々の組合も同様、組合員の減少は歯止めがかからない状況が続いており、組合運営は将来的にも厳しくなっております。

景気の好転は短期間では望めません。

各店それぞれ が、国の施策に頼るのではなく、自分で出来る地味なお店の活性化に取り組んで行く時代だと思います。

本年の皆様のご健勝とご多幸を祈念申し上げご挨拶と致します。

平成31年1月17日(木) 大安

そば霄蕎庵 三代目  伊藤隆志

東京都麺業連合共同組合 元青年部副部長兼会計監査役 練馬蕎麦商組合員

 

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